経理・財務部門全体の業務プロセスの自動化を本当に実現する方法

最近ではしきりに“ホワイトカラーの生産性向上”や“自動化”さらには“働き方改革”といったテーマでビジネストピックが扱われることがあります。いろんな考え方があるようですが、どのコンセプトも、いかにして人為的な判断を必要としない定型業務を効率化させるか、という一点に尽きます。

実際に日本でも様々なクラウド系の会計ソフトが見られるようになりました。銀行データを活用した仕訳入力の自動化が典型的な例として挙げられます。
ところが、この分野ではまだまだ単体の業務の一部分を自動化させるにとどまっています。部門業務全体を一貫してほぼ自動化する、という取り組みに関してはまだまだこれからといった感じです。

しかし欧米では顧客管理、マーケティング、人事といった部門業務のほとんどをロボティクス技術によって自動化しているという企業がいくつもあります。

そんな中、経理・財務業務に関しては自動化という概念が定着しにくいものがありましたが、よく考えてみると経理・財務業務ほど自動化に適したものはありません。なぜでしょうか?それは経理業務のほとんどすべてがエクセルに依存していて、エクセルのファイル内には一定ルールに基づく関数だらけだからです。

 

月末月初の経理部は何に多くの時間を割いているのか?

社内の経理部門は何に最も多くの時間を割いているかを本当にご存知でしょうか? 部外者からすると、きっと難しい会計処理法や特殊な経理仕訳を考えることに時間を割いていると思いがちですが、それは大きな誤解です。
むしろそれが本当なら、コストをかけて採用した人材が会計や経理の専門知識をフル活用して精度の高い数字を生成しているわけですから、専門性の高い業務に時間を割くことはむしろ立派なことです。 

ところが、実際に現場の経理部員たちの多くの時間を奪っている作業は、ただのデータの取りまとめや単なる確認作業に過ぎないのです。実はそこには経理の専門知識も税法の知識もまったく関与していません。
社内のERPデータと、社内の各担当者が独自に作成して共有フォルダに保存したエクセルファイル内の数字との突き合わせ作業に、延々と時間が消費されてしまっているのが現実です。言い換えると、数字を“作る”ことがミッションになるべき部門が、数字を右から左へとただ“運ぶ”だけの作業をするのに最も多くの時間を割いてしまっているのです。全く生産的ではありませんね。

こうして、ようやくエクセルという“整理棚”の中に運び込まれた数字は、ファイル内に設定されたいろいろな関数を駆使してようやく意味のある数字に作り込まれてゆくわけです。

ところが、社内でこれまで伝統的に使いまわされてきたエクセルのテンプレートがクセモノで、テンプレートが作成された数年前には想定されていなかった取引データに出くわすと、その数字を上手く扱えないということが頻繁に起きるわけです。

それで原因を追究するのに何時間もかかり、やっとどこかのセルの関数を手探りでいじって何とか業務を終わらせる、といった負のスパイラルが始まるわけです。
それでも不思議なことに、複雑なエクセル関数を探し当てて修正し数字がきれいに処理された瞬間の爽快感に経理担当者は浸ってしまい、さも困難な大仕事をやってのけたように錯覚してしまうのです。
それで、“優秀な経理マン=エクセル職人”という図式が成り立ってしまうのです。

でも、経理部員たち皆がエクセルの複雑な財務関数のエキスパートではありませんし、エクセルの知識そのものが会計知識になるわけでもありません。エクセルはあくまでも数字データの検証ツールに過ぎないのです。

 

数字の検証作業をどこまで自動化できるかが最重要!

特に経理・財務部門が行う数字の検証作業は様です。簡単な残高確認から異なるデータソース内の数字との突合、さらには勘定照合とその調整業務といった本当に会計的な調査を要する業務まで様々です。それで、調査や分析そのものに時間を投じることができるように、先述の数字を“運ぶ”作業は極力自動化することが重要です。

具体的な事例や方法について、このブログ上で引き続きご紹介してゆきます。