エクセルのマクロ・VBAを経理で使うメリットとデメリットを解説!

複雑なPC作業を自動化するための機能を総称して「マクロ」と呼びますが、Visual Basic for Applications(ビジュアル・ベーシック・フォー・アプリケーションズ)略して「VBA」は、それを実現するためのプログラム言語のことです。

しかし、VBAというと、

  • 「聞いたことはあるけれど、よく分からない」
  • 「使えたら良いけど、ITに疎い私には難しそう…」
  • 「実際どう使えばいいのか分からない…」

と感じる方は少なくありません。

そこで今回は

  1.  経理でエクセルVBAを扱うメリットとデメリット
  2.  経理で使えるVBAの機能
  3.  経理でVBAを扱うための習得方法

について解説していきます。

1.経理でエクセルのVBAを扱うメリットとデメリット

ここではまず、経理業務でVBAを使うメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。

☑メリット

  • 仕事の自動化、高速化
  • 人為的なミスが減る
  • 関数よりできることが多い

☑デメリット

  • 習得に時間がかかる
  • メンテナンスが大変
  • 関数を使う方が効率の良い場合も

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1-1.メリット

作業量が減るため時間の削減になる

人間なら面倒に感じるような時間のかかる作業や毎日繰り返し行う業務などを、VBAなら黙々と終わらせてくれます。

しかもボタンを一回クリックするだけで、人間では成しえないスピードで完成してくれるため、これまでやりたくても時間がなくてできなかった付加的な業務に取り掛かることができます。

人為的なミスが減る

いくら毎日行っている作業で慣れているとしても、人間なので絶対にミスしないとは言い切れません。

ところが、VBAであれば毎回同じ工程を完璧にこなしてくれるので、人為的なミスの可能性を完全に排除してくれます。

関数よりもできることが多い

関数はエクセルの中でのみ使える機能です。複数のエクセルファイルからデータを集計することは関数でもできますが、PowerPointの自動作成や、Outlookからメールを自動送信、Wordでの報告書自動作成など他のMS Word, Access, Outlookなどと連携して作業を行う、ということはVBAでしかできないのです。

 

1-2.デメリット

習得に時間がかかる

個人差があるものの、ITやシステムに強い人であっても習得できるまでに最低数か月はかかります。エクセルやパワーポイントを日頃あまり使わないとなると、習得に2~3年かかる人もいるようです。

そうなるとモチベーションを維持することも難しくなってしまいます。

メンテナンスが大変

きっとあなたの周りでもマクロを使いこなせている人はそれほどいないのではないでしょうか。そうすると、例えばVBAを作った人が人事異動や退職した場合、エラーが発生しても対処できる人がいなくなります。

VBAが正常に動いている間は助かるツールですが、マクロを変更する必要が出てきたりエラーが発生したりした場合、誰も修正できないので結果的に使われなくなったという話も聞きます。

関数でできることもVBAで作ってしまうと非効率となるケースがある

おそらくあなたはある程度エクセルを使いこなせるのではないでしょうか?だからこそこのページにたどり着いていることでしょう。VBAに慣れるための練習!と割り切った上で作るのであれば問題ありませんが、この内容なら関数を使った方が効率も良く時間もかからなかった、というケースもあります。まずは関数でできないか確認されることをおススメします。

 

2.経理で使えるVBAの機能

上でメリットとデメリットを検証することができました。実際の経理業務ではどんな場面でVBAが活躍するのか、事例を見ていきましょう。

2–1.エクセルの売上データを会計ソフトに自動連携

会計ソフトを使っているにもかかわらず、エクセルにも売上データを手入力しているという企業が多いのではないでしょうか。数件であれば手入力でも問題ないですが、数百、数千件になると膨大な時間を費やすことになります。そんな時VBAならにエクセルに入力した売上データを会計ソフトにデータ反映されるように自動同期させることができます。

2–2.売上明細からPDFの請求書を自動で作成

取引先によって請求書に記載する内容が違うということもあると思います。会計ソフトでは書式が一つしかないので結局手入力しているということもあるでしょう。そんな時は必要な情報を抽出して請求書を自動で発行できるVBAが役に立ちます。

2–3.入力ミスがないかをVBAでチェック

何社もの関連会社を抱える本社レベルになると、会社別に仕入先をまとめなければならず、膨大なデータに対して入力ミスがないかを目視で確認するのは難しいものです。こんな時でもボタン一つで短時間で簡単にミスがないかをチェックできます。

2–4.経費精算の自動仕訳

通常、請求書は会社によってレイアウトが異なるため、該当項目の列もばらばらですが、列の指定やあいまい検索など、あらかじめ設定を行っておくことで、預金データやカード明細の取引内容から自動で勘定科目・補助科目を仕訳することができます。

2–5.エクセルからパワーポイントにデータを流し込んで複数のレポートを作る

レポートを作るとき、エクセルでチャートやグラフを作成してからパワーポイントに移していませんか?VBAであれば、パワーポイントのテンプレートを開いて各スライドにグラフを読み込ませ、ファイルを保存して閉じる、を繰り返すということも自動でできるようになります。

いかがでしたか?こんなこともできるの?と思われたかもしれませんね。VBAが使えると仕事をする上でかなり有利だとお分かりいただけたのではないでしょうか。

 

3.経理でVBAを扱うための習得方法

「VBAを使えるようになったら仕事が捗ることは分かったけど、どうやって習得したら良いのか分からない。」という方もいらっしゃるでしょう。ここでは、その方法をご紹介します。

3–1.VBAを扱っている社員から仕事を通して教わる

まずは社内ですでにマクロを使いこなしている人から教わるケースです。直接業務に関係するファイルを用いて教わることができるので、理解しやすく、わからない時でも同僚にすぐ質問できるというメリットがあります。

3–2.参考書や動画を利用して学ぶ。ただし他人からのアドバイスがないため難易度は非常に高い

VBAとは何か?という基本的な内容はまず基本情報を参考書で勉強し、詳しい内容になるとインターネットで検索して勉強するという方が多いようです。しかし、自分のレベルに合った内容を判別するのは難しく、結局理解できずに途中で諦めてしまう人が多いのが現状です。どうしても勉強したいという方には以下のウェブサイトが分かりやすくておススメです。

ドットインストール(Excel VBA入門)
https://dotinstall.com/lessons/basic_excel_vba

Excelエクセルマクロ・VBA塾

http://kabu-macro.com/

 

3–3.プログラミングスクールを利用する

会社にVBAを熟知している人もおらず、独学でもマスターできないという人は、一つ一つレベルに応じて丁寧に説明してもらえるプログラミングスクールに通うという選択肢もあります。お金も時間もかかりますが、すぐに分からないことを質問したり納得できるまで説明してもらえたりするので、習得できる可能性は高いと言えます。

 

どの方法を選ぶにしても、実際にやってみないとどれが自分に一番合った方法なのか分かりません。VBAに少なからず魅力を感じているのであれば、手を付けやすいと思う方法からチャレンジされてみてはいかがでしょうか。

 

4.まとめ

改めて経理業務でVBAを使うメリットとデメリットを確認しましょう。

☑メリット

  • 仕事の自動化、高速化が可能に
  • 人為的なミスが発生しない(正確性の向上)
  • 関数よりもできることが多い

☑デメリット

  • VBAをマスターするのに時間がかかる
  • メンテナンスができる人、引き継げる人がなかなかいない
  • 関数を使う方が早いことも

これらのことから、VBAは習得できさえすれば、正確性の向上と業務のスピードアップにつながり、大きな効果が期待できることがわかりました。一方で、一番ネックなのは習得にかかる時間と難しさでしょう。この課題をクリアしないことには何も始まりません。

最近では、VBAよりも時間と手間をかけずに費用対効果を得られる解決策として、RPAを導入する企業が年々増えています。 

上に挙げたような経理業務の自動化は、まさにRPAの得意とする分野です。例えばトリンテック社のAdra Matcherという突合システムで、データの照合にかかる作業時間の90%を削減したケースもあります。しかも、RPAならプログラミングの知識も必要ありません。

今や仕事の高速化・効率化を実現するツールはVBAに限りません。ツールの使用用途や運用までにかかる時間、コストなど様々な観点から検討し、賢く使い分けていきましょう。