経理の労働環境を改善!経理の残業を減らす3つの視点

 

経理の残業って平均でどれくらいなんだろう、また、経理の残業がどうしても多くなってしまい、頭を抱えている人も多いのではないでしょうか。


経理業務は月末と決算期に負担が大きくなるため、どうしても残業が増えてしまいます。このような状況を作りだしている原因を理解できれば、改善のための方法がしっかりと見えてきます。


ここでは負担が大きい経理業務の具体例をあげ、改善するためにはどんな方法があるかを解説します。


状況にあった方法を見つけて、経理の残業を減らしましょう。

 

1 経理の残業は月末に多くなる

 

1-1 実際の声

では、まずは実際に会社で経理業務に携わる方がどのくらい残業をしているのか、見ていきましょう。実際に経理部門で働かれている方の声を紹介します。

 

一部上場企業 販売会計部門のAさん

「決算月に関係なく、月末月初は残業続きです。月末の3日間で3時間ずつ、月初の3日間で5時間ずつくらいでしょうか。〆期間だけで20〜30時間ほどの残業時間になります。月初と決算期以外はほぼ定時退社です。」

 

一部上場企業 経理部門のBさん

「経理のシステムが構築されておらず、業者からの請求書を手作業で仕訳入力するなど人の手を使う作業が多いです。人手が足りないので月に数日は会社に泊まって作業をしています。」

 

中小企業 総務・経理部門のCさん

「経理の通常業務のみなし残業はなくて済みますが、年末調整や賞与の計算に加えてさまざまな書類作成や各種手続きなどを兼務しているので月に40〜50時間ほどは残業が発生します。中小企業だと特に経理以外の仕事も兼務している人が多いと思います。」

 

1-2 月末、特に決算期が残業が多くなる


通常は定時退社をする方も多い反面、月末月初、そして上場会社では特に3月・6月・9月・12月の決算期(3月決算の場合)は忙しく、残業が多くなるようです。

中には休日出勤や徹夜での作業を行わざるを得ない会社もあるようで、そういった会社では仕事の処理システムがうまくまわっていないなどの原因が多く、なかなか改善への対策まで手が回っていないのが現状です。

経理の平均的な残業時間では、経理業務に関わる方の平均的な残業時間はどのくらいなのでしょうか。


2017年のネットリサーチの調査の「職種別の1ヶ月あたりの残業時間」によると、「総務・人事・経理職」の平均残業時間は1ヶ月あたり16.1時間でした。
(参考:http://engineer.fabcross.jp/archeive/170322_overtime_work_job.html)


また、経理プラスによると、経理担当者400人への「1ヶ月の残業状況」の調査では、月初と月末ではそれぞれ20%前後の人が「残業の日が続く」と答えた一方、月中では約56%の人が残業はほぼないと答えていました。

月中は残業は少なく、月末から月初にかけて忙しくなるというのが経理業務に関わる多くの方の働き方のようです。

 

2 経理業務の中でも特に負担の大きい4つの業務


それでは経理業務の中でどのような業務が負担が大きいものかみていきましょう。

 

2-1 従業員の経費精算

従業員の経費精算は時間がかかるうえに、イレギュラーが発生することが多いので、他の業務に支障がでてしまいストレスになりやすい業務です。

出張、打ち合わせ、接待など、従業員の経費は頻繁に発生しますが、経費精算は一ヶ月分まとめてではなくその都度精算されることもあるので業務を行う回数が多いです。

また、金額を間違って請求され、その間違いを正さなければならないこともあるので一回の業務量も多くなりがちです。

更には経費精算を手書きで行っている場合には字が汚くて読めないなんていうこともあり、経理の担当者の負担は業務量的にも精神的にも大きいです。

 

2-2 伝票・帳簿の入力

伝票・帳簿を会計ソフトに入力していく場合には一つ一つ手入力していく方が多いでしょう。

入力する項目は金額だけではなく、勘定科目・相手先・摘要など、項目が多く、一つの仕訳を入力するのにも手間となってしまいます。

また、誤った仕訳を入力してしまった場合には修正仕訳を入力しなければならず、それが過去に入力したものであれば、証憑を探して実際にどんな取引であったのかを把握するところから始まるので、とても時間がかかってしまいます。

 

2-3 売掛金の消込業務

売掛金の消込業務は相手先に問い合わせなければならないことが多いので時間がかかります。

相手からの支払いの場合には、一つの請求書に対して一件ずつ振り込まれるのではなく、いくつかの支払いをまとめて払われる場合も多いので、こちらとしてはその内訳がわかりません。

そのため、相手先に問い合わせてこちらが発行したどの請求書のものが支払われたのかを把握する必要があります。

また、ここで二重支払や誤振込があることが発覚すれば、返金や支払調整を行わなければならないので更に時間がかかってしまいます。

 

2-4 各種エクセル入力(決算データの加工、在庫管理…など)

会議などで、エクセルで作成した資料を求められる方も多いでしょう。

しかし、エクセルに入力する作業も時間がかかったり、会計ソフトから抽出する場合にも、表が見づらかったり、情報が不十分だったりするので加工が必要となります

具体的には在庫管理や顧客情報の管理のためのエクセル入力、株主や税務申告のための財務諸表の作成など、エクセルを使った作業はとても多いです。

 

3 経理の残業を減らす3つの視点

経理の業務は同じような内容のルーティンワークが多いため、一つの業務改善が毎日の業務に影響するので、長期的にみると大幅に作業時間を減らせる事になります。

そのため、積極的に業務改善を行っていくべき部門といえます。

以下の3つの視点から業務改善方法を検討していきましょう。

 

3-1 効率が悪い業務を改善する

ルーティンワークを客観的に見直すことで、問題点に気づくことができます。

業務フローを作成して仕事のプロセスを可視化すると、無駄な部分が見えてくるかと思います。

例えば、前任者から引き継ぎをうけたまま、そのとおりにやるだけなど改善の余地があるのにできていないこともあるのではないでしょうか。


よくあるものが、エクセルがいくつもあって管理が複雑化してしまい、複数のエクセルを開かないと業務が進まないという問題です。

この場合は、エクセルを一つにまとめ、シートで分けて、重複した内容のセルは一つの項目に入力すれば自動的に他のシートに入力されるようにすると効率的です。


このように情報を整理し効率が悪い業務を洗い出せば、業務改善の道筋がみえてきます。

 

3-2 会社内のシステムを見直す

次に現状の会社全体のシステムに問題はないか見直してみましょう。

会計ソフトを導入しても手入力が多かったり、チェック作業が多いと、残業時間は短縮できません。そういった場合には最新の経費精算システムやRPAなどの自動化ツールを使うことで、作業時間を短縮することができます。


ここでは、自動化ツールを使うことで、どのような業務が自動化されるか解説していきます。

 

① 売掛金・買掛金消込の自動化

銀行口座と会計システムを連携することにより、銀行からデータを自動で取り込み買掛金・売掛金の消込業務を自動化することができます。

通常では得意先から入金があった場合や、得意先に支払いを行った場合には、売掛金・買掛金の消込を行わなければなりません。

さらに、売掛金・買掛金の消込も金額が合わない場合は原因を調べるなど、業務量も多くなりがちです。

しかし、現在では銀行から入出金のデータを取り込み、売掛金・買掛金の残高と突合が自動的に行われ、消込がされるシステムがあるので、これを活用し残業時間を減らしましょう。

 

② 経費精算の自動化

経費精算システムを使えば、従業員がレシートをスマホで撮影するだけで自動的に仕訳が行われます。

更に、従業員の持つ口座に自動的に支払われるので、従業員立替金の消込も自動化されます。特に営業の方の場合、交通費は毎日のように発生するので、その情報をエクセルに手入力するのはとても時間のかかる作業です。

経費精算システムでは交通系ICカードからデータを取り込んだり、経費精算用のクレジットカードから明細を自動で取り込むことができるので、日々のルーティンワークの負担が激減します。

「経費精算システム」を活用し、残業時間を減らしまししょう。

 

③ 請求業務の自動化

請求書発行システムでクラウド上に請求書を作成すれば、得意先に自動的に請求情報が届きます。

経理業務の中で時間がかかる作業の1つが請求書の発行です。

紙の請求書だと、請求書を作成して紙に印刷し、必要によって手作業で折りたたみ封筒に入れて、のり付けし、それを郵便局まで持って行かなければなりません。

請求書発行システムとは、請求書や納品書、支払い明細などを作成して自動で発行するシステムです。

請求データをアップロードするだけで取引先のマイページに請求書が公開されます。

 

④ PC操作の自動化

RPAを導入すれば、日々のルーティン化しているPC操作を自動化することができます。

RPAとは人間がパソコン上で行う操作を覚え込ませることができるアプリで、パターン化された操作をパソコン上で再現することができます。

例えば、税務申告のための会計ソフトからデータを抽出し、加工し印刷するまでの操作を自動化することができます。

このようなルーティン化したPC操作をRPAに覚えさせ、残業時間を減らしましょう。

 

3-3 業務の一部を外注化する

仕事量に対して人数が少ないなどの問題があれば、外注化することも視野に入れてはいかがでしょうか。

作業の外注化は業務量に応じて変動させることができます。

特に経理業務では決算期などに業務が集中するため、残業が発生しやすい繁忙期のみ一部の作業を外注化すれば新たに正社員を増やすよりも費用対効果は高いでしょう。

 

まとめ

経理は月末にかけて、どうしても残業が多くなってしまいますが、残業が多くなる原因を把握して、業務効率化を実現しましょう。

経理の業務はルーティンワークが多く、一度合理化できればその後の作業時間が大幅に短縮されることになるので業務改善の効果が大きいです。

また、ミスが許されないのが経理の仕事ですが、業務フローの改善、自動化ツールの導入を行えば、業務時間を削減できるうえに、ミスも少なくなり仕事の質もあがります。

うまく残業時間を減らして、プライベートの時間を充実させたりキャリアアップに時間を使ったりと有効に時間を使いましょう。